ポルシェ E-デフにLSD その効果は?
GT3にしか付いていないと思っていたPTVプラスのE-デフ。
カレラSも同じものが装備されてました。
オプションなんですかね?
詳しい事はわかりませんが、これに機械式デフ付くの?からスタート。
まずはE-デフをバラバラにしてみました。
ポルシェはゴルフやアウディの湿式デュアルクラッチと違って、トランスミッションは2チャンバーで構成されています。ゴルフやアウディはクラッチ及びすべてのギヤがDSGオイルで潤滑されていますが、ポルシェはクラッチがPDKオイル、ギヤはギヤオイルで潤滑されています。
で、ここからが驚きで、E-デフをコントロールしているのはPDKオイルで、デュアルクラッチのあるチャンバー側から供給されます。
デフのサイドカバー内には内側がギヤオイル、外側はPDKオイルが流れ、その間のダイヤフラム一枚でシールされています。
ECUから指令で油圧が掛かるとダイヤフラムが押され、それがスラストベアリングを介してピンを押し、デフ内のプレートに伝えてLSD効果が出てくるといった仕組み?仕掛け?です。
ZFが考えたのかポルシェが考えたのか・・・
構造はすごいですね。
デフ内にもギヤオイルが回りますが、これもオイルポンプを介してトランスミッション側から回るので、きっちりオイル規定量を合わせるのであれば一度ピニオン側のシャフトを回す必要がありますね。
Eデフ、ダイヤフラムの動きはこんな感じです。
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さてここからが問題で、このダイヤフラムを外してしまうとPDKオイルとギヤオイルがデフの部屋で混ざってしまいます。
でもそのままだと付きません・・・
うーん、いっそのことスプールにしてしまおうか!とか考えましたが、そんな乱暴な考えは捨てて試行錯誤。
とりあえずデフの寸法は同じでしたので、歯当たりを確認してから仮組み。
そして各箇所に色々と秘密の加工をして、無事装着出来ました!
オープンデフだったらこんな苦労はしていませんでしたが・・・
良い勉強になりました!
純正E-デフもレスポンスという意味では優れていますが、ダイヤフラムからの圧力をスラストベアリングを介して滑らしてから効かせる感じですので、LSDの効きとしてはイマイチかもしれないです・・・
やはりもうちょっと効かせたいのであればやはり機械式になりますね。
無事FSWでの走行テストも終わりましたので、暫くしたらもう一度チェックしたいと思います。
さてその効果のほどはどうなんでしょうか・・